2018年03月28日

Tシャツデザインコンテスト 結果発表

皆さんは「風力発電」と聞くと、どのようなイメージがありますか?
「自然に優しい」「クリーンなエネルギー」といった
美しいイメージではありませんか?

しかし、当会が把握しているだけでも
2001年から2015年3月までに341羽の野鳥が
バードストライクで命を落としているのです。

「自然にやさしいはずの風力発電が、野鳥を傷つけている!」

このことを、一人でも多くの方に知っていただきたい!

そんな思いから、昨年夏、「風力発電〜風を使う鳥と人〜」をテーマに、
Tシャツデザインコンテストを開催しました。

「野鳥が風力発電に衝突し死んでしまうという衝撃的な出来事」と、
「より多くの方に着ていただくTシャツのデザイン」を
どのように両立させるのか?

この点が最大のテーマです。

どれくらいの応募があるのかとても不安でしたが、
122点もの応募がありました。
ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございます。


今回の選考は、当会職員が行うという始めての試みでした。

1点1点、デザインとその意図を照らし合わせながら選考していくのは
とても時間がかかりました。

選考を重ねていくたびに、徐々に絞られていきますが、
絞られていけばいくほど、選ぶのが本当に難しかったです。

審査.JPG

しかし、最初から最後まで、私たちからみて、

「風力発電に野鳥がぶつかる事実を明確に伝えていること」
「より多くの方に着ていただけるデザインであること」

という2つの視点で選び続けました。


その結果、最優秀賞に輝いたのは「かも鍋天国」さんの作品でした。

420501web風力発電Tシャツ.jpg


ご本人に製作過程をお聞きしたところ、
やはり、最初はかなり強烈なデザインになってしまったそうです。
しかし、より多くの方に着ていただかなければならないと考え、
今回のデザインを作成したそうです。


ぜひ、皆さんもこのTシャツを着て
周りの人に風力発電に野鳥がぶつかっていること、
伝えてください!

ご協力よろしくお願いいたします。


http://www.birdshop.jp/fs/wildbird/gr384/gd3839

WILD Sでした。



posted by Wild Bird at 18:47| Tシャツ デザインコンテスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月02日

Tシャツデザインコンテスト 〜現場からの報告〜

現在、募集中の「Tシャツデザインコンテスト 風力発電 〜風を使う鳥と人〜」
で、風力発電についての情報をご紹介します。

Tシャツデザインコンテストの詳細はコチラ↓
http://www.birdshop.jp/img/Tcontest_collidebirds.pdf

今回は、実際にバードストライクが発生した現場で
傷ついた野鳥の救護活動をされている
北海道海鳥センター・石郷岡卓哉さんからのレポートです。

TシャツデザインコンテストのHPで風車の前に傷ついたオジロワシの
写真を掲載していますが、この写真を撮影された方です。

DSC_61042【石郷岡さん】.jpg
(写真は2017年1月に撮影されたものです)


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2014年1月のことです。住民の通報により駆けつけると、
1羽のオジロワシが隣町の風車の下でうずくまっていました。

海岸の砂崖上に3基の風車が並ぶこの風力発電施設では、
これまでにもオジロワシなどがブレードにぶつかる事故が度々起こっています。

ブレードに当たると、大抵は体や翼がちぎれて命を落としますが、
このオジロワシは翼を骨折していたものの、まだ息がありました。

すぐに専門の獣医師がいる施設に運ばれ、懸命な治療により一命を取り留めましたが、
再び大空を飛べるようにはならなかったそうです。

この年は悪夢のような冬で、翌週にもう1羽、3月にはさらに1羽が犠牲になりました。
冷たくなったオジロワシを前に、やりきれない気持ちになったことを覚えています。

そして今年の1月に、また悲しい事故が起こりました。
1羽のオジロワシが季節外れの冷たい雨に打たれながら、
右の翼がちぎれて動けずに、じっと耐えていました。
すぐに専門施設に運ばれましたが、治療の甲斐なく死亡したそうです。

道北(北海道の北部)の日本海側は風が強く、
海岸付近に風車群がいくつもあります。

オジロワシは海岸沿いを飛びながらエサとなる魚を探すので、
事故が頻発してしまうのでしょう。

今後、すでにある風車群以外に大規模な風力発電施設の開発計画がいくつもあり、
これらの風車群が建設されれば、事故は益々増えるでしょう。

オジロワシにとって重要な生息地、渡りのルートとなっている道北沿岸の空に、
本当にこれ以上の風車が必要でしょうか。

風車の下で冷たい雨に濡れていたオジロワシが、
私たちに問いかけているように思えてなりません。

北海道海鳥センター
石郷岡 卓哉

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posted by Wild Bird at 09:36| Tシャツ デザインコンテスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

Tシャツデザインコンテスト 〜バードストライクが起きやすい種類〜

現在、募集中の「Tシャツデザインコンテスト 風力発電 〜風を使う鳥と人〜」
で、風力発電についての情報をご紹介します。

今回は、バードストライクが起きやすい種類についてです。

生息環境が似たようなところにいるオジロワシとオオワシ。
体の大きさや食べている物もほとんど同じです。

しかし、当会が把握している中で、
オジロワシは43羽がバードストライクの犠牲になっていることが分かっていますが、
オオワシは、1羽という結果になっています。

オオワシには風車が見えて、オジロワシには見えない?
それとも、オオワシには何か特殊な能力がある?

そんな疑問を持ち、調査に関わるスタッフに聞いたところ、
餌の採り方の違いによるものと考えられているとのことでした。

オジロワシとオオワシの違い.jpg

オオワシはねぐらを出てその日の餌場候補地に行くまでに、
他の餌場をウロウロせずに、比較的高い高度(200m程度)で
移動します。
一方、オジロワシはいくつかの餌場候補地を高度50〜100m
くらいでウロウロしながら餌を探します。

オジロワシは餌を探してウロウロしている時に、
風車の存在に気が付くのが遅くなり
バードストライクが発生しやすいと考えられています。

さらに、国内でビデオ撮影をもって確認された1例については、
オジロワシ同士で追いかけ合いをしている際に発生していたそうです。

トビやカラスについては、バードストライクで発生した鳥の
死体を探しに来て、風車周辺でうろうろしている時に衝突すると考えられています。

生きるために食べ物を探す行為が、
自らを犠牲にしてしまう行為に繋がるとは、
不幸という言葉だけでは片付けられない
寂しさや切なさを感じてしまいます。

デザインコンテトについては、こちらをご参照ください。
http://www.birdshop.jp/fs/wildbird/c/t-shirt-contest2017

posted by Wild Bird at 15:08| Tシャツ デザインコンテスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする