2017年06月02日

Tシャツデザインコンテスト 〜現場からの報告〜

現在、募集中の「Tシャツデザインコンテスト 風力発電 〜風を使う鳥と人〜」
で、風力発電についての情報をご紹介します。

Tシャツデザインコンテストの詳細はコチラ↓
http://www.birdshop.jp/img/Tcontest_collidebirds.pdf

今回は、実際にバードストライクが発生した現場で
傷ついた野鳥の救護活動をされている
北海道海鳥センター・石郷岡卓哉さんからのレポートです。

TシャツデザインコンテストのHPで風車の前に傷ついたオジロワシの
写真を掲載していますが、この写真を撮影された方です。

DSC_61042【石郷岡さん】.jpg
(写真は2017年1月に撮影されたものです)


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2014年1月のことです。住民の通報により駆けつけると、
1羽のオジロワシが隣町の風車の下でうずくまっていました。

海岸の砂崖上に3基の風車が並ぶこの風力発電施設では、
これまでにもオジロワシなどがブレードにぶつかる事故が度々起こっています。

ブレードに当たると、大抵は体や翼がちぎれて命を落としますが、
このオジロワシは翼を骨折していたものの、まだ息がありました。

すぐに専門の獣医師がいる施設に運ばれ、懸命な治療により一命を取り留めましたが、
再び大空を飛べるようにはならなかったそうです。

この年は悪夢のような冬で、翌週にもう1羽、3月にはさらに1羽が犠牲になりました。
冷たくなったオジロワシを前に、やりきれない気持ちになったことを覚えています。

そして今年の1月に、また悲しい事故が起こりました。
1羽のオジロワシが季節外れの冷たい雨に打たれながら、
右の翼がちぎれて動けずに、じっと耐えていました。
すぐに専門施設に運ばれましたが、治療の甲斐なく死亡したそうです。

道北(北海道の北部)の日本海側は風が強く、
海岸付近に風車群がいくつもあります。

オジロワシは海岸沿いを飛びながらエサとなる魚を探すので、
事故が頻発してしまうのでしょう。

今後、すでにある風車群以外に大規模な風力発電施設の開発計画がいくつもあり、
これらの風車群が建設されれば、事故は益々増えるでしょう。

オジロワシにとって重要な生息地、渡りのルートとなっている道北沿岸の空に、
本当にこれ以上の風車が必要でしょうか。

風車の下で冷たい雨に濡れていたオジロワシが、
私たちに問いかけているように思えてなりません。

北海道海鳥センター
石郷岡 卓哉

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posted by Wild Bird at 09:36| Tシャツ デザインコンテスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする