ツバメの現状を明らかにするために、全国の皆さまから目撃情報を
お寄せいただきました。
http://www.wbsj.org/nature/research/tsubame/
2012年の調査結果は、上記当会ホームページでも公表しております。
その中で、ツバメが減少した原因についてお聞きしたところ、カラス
による影響に次いで多かったのが、糞で汚れるなどの理由から、
「人の手によって巣が落とされてしまう」ことでした。
この結果を受け、当会では人によってツバメの巣が落とされてしまう
悲しい ケースを少しでも減らしてゆけるよう、メディアを通じて
巣を落とさないで子育てを見守ってもらうよう呼びかけたり、
ツバメの子育て情報をまとめた小冊子を 無料配布するなど、
普及や情報発信に努めています。
一方で、店舗の出入口の真上や住宅内のフンで汚されては困る場所など、
ツバメが営巣すると、フンが落下するため、仕方なく巣を落とさざるを
得ないケースがあると思われます。
そこで当会では、2012年の調査にご参加いただいた皆様に呼びかけ、
そもそも、ツバメは巣箱を使うのか?使う場合、傾向はあるのか?
ツバメの巣箱を使って、糞が落ちても困らない場所に巣を誘導できないか?
と言った点を確認するため、ツバメ巣箱モニター調査を行いました。
その結果は、以下の通りとなりました。
1)事後アンケートの回収できた80件の内、9件の巣箱が利用され、
32羽の雛が巣立ちました。
2)9件の内、8件は、昨年営巣していた場所と同じ敷地内に
巣箱を設置したケースでした。
3)巣箱設置場所近くにある古巣を除去した方が、
巣箱を利用する割合が高くなりました。
このことから、条件さえ整えば、人工の巣箱を使ってツバメの巣の位置を
変えられる可能性が見えてきました。一方で、巣箱の設置方法や巣箱の素材等
の課題も見えてきましたので、日本野鳥の会では引き続きモニター調査を
継続する予定です。
ツバメ巣箱モニター調査2013にご協力いただきました皆さま、
本当にありがとうございました!
詳細な報告をPDFにまとめました。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。
http://www.birdshop.jp/tubame-moni-2013.pdf
WILD Sでした。